こんばんは、自分では分かっていても、いざそれを他の誰かに説明するとなると、理解の深度が試される気がします、おおうらです。
ゼロから、ネックから編むラグランセーターを編んでます。
いよいよ、お製図本番のターンです。
目次はこちら↓↓
前回の記事はこちら↓↓
※この製図の書き方は自己流です。本に載ってないんだもの!
こう書くしかないよねぇ・・・?といった計算に基づいて書いてます。悪しからずご了承くださいませ。
ネックから編むラグランセーターの図面の引き方(試行錯誤編)
まぁ、最終的にはこんな図を引くことになりますー
いわば、「セーターの開き」ですな。
立体で編むこのセーターを、無理やり平面で表現しているのでこうなります。
上から見た図です。中央の四角が首穴です。
ただし、ぐるぐる編んでると、前後同じ塩梅のサイズになってしまいます。
人の体はお胸とかありますし、前後で違うので・・・
今回は、後ろ身頃に「前後差」をつけるやり方で編むこととします。
(これも、やり方はいろいろあるらしいのよ!)
自力で書く製図は、一発で書けるわけではなくてですね。
試行錯誤しながら、線を決定していきます。
ではいきましょうか。
ネックの大きさと比率を求める
ここ↓の黄色いところの頭を通す首穴の大きさの話です。
ここの大きさをどうするか、という話なのですが・・・
編み本やワタシの持っているテキストで参考になりそうな図面を見ると、どうも、1:2 か 1:3 の大きさが主流でした。
前者の方が丸首(ラウンドネック)に近く、後者の方は横長だからボートネックに近いのかなとも思います。(推測)
まず、1:2の方で製図を試みてみることにしました。
まず先に、全体でぐるっと何センチくらいのサイズにしたいのかを出します。
最低サイズは、頭囲の7割です。(と習いましたの)
ワタシの頭囲は58センチですので、最低、円周40センチは要るねという話を前回しました。
ただ、今回はデザイン的にもっと首周りをゆったりさせたデザインにしたいです。
なので、もっととることにしました。
で、いくつにすればよいか?
そういうときは、巻き尺を輪にして首の周りにぐるっと当てるのです(原始的)
その結果、55センチくらいかなーと見当をつけました。
ネックの比率に落とし込みますと、1:2ですので、55センチを6で割ります。
55÷6=9.1666666
ですね、半端ですね。
なので、キレイに切れる数字にします。
例えば、54センチに小さくすると、
54÷6=9
ですので、うまくいきました。
これを仮の数字とします。
ここから、ラグラン斜線の長さの数字を出して、適当かどうか判定します。
基本データを確認しよう
前回の記事で、採寸したデータを出しました。
その再確認です。
- 身幅:52センチ(出来上がりサイズは、ゆるみ入れて54センチとする)
- 着丈:約60センチ
- ゆき丈:72センチ
- ラグラン線:約21センチ
<標準ゲージ>※10センチあたり
- 目数:20目
- 段数:32段
ここらへんは必ず押さえておきます。
準備するもの
- 縮尺定規
- 巻き尺
- 電卓
- デザインノート
- シャーペンとか鉛筆
- 消しゴム
です。
では、ネックから製図を始めます
まず、縦に垂直に案内線をピーーーっと引きます。
横にも水平に十字になるように、案内線を軽く引きます。
ネックの四角を書きます。
上の方で、9センチを基準にした四角を引くことになります。
1:2=9センチ:18センチ
の長方形を書きます。
縮尺定規は1/4を使用。
1メモリは1センチ相当です。
同時に、目数段数情報も書いていきます。
出し方は、比計算で出します。
外・外・内・内で掛け算して割り算します。(ざっくり)
例)9センチの目数は・・・
10センチ:20目=9センチ:X
10X=20✕9
X=18目
18目ですね。
同じようにして、18センチの方も計算します。
36目と出ました。
後ろ身頃を書きます。ラグラン線の長さを求めます。
次に、上の方に身幅54センチの案内線を引きます。
その内側に、マチ分(3センチとしました)を引いた長さの案内線も引きます。
ここからが大事よ。
内側の案内線とネックにどの程度差があるか測ります。
縮尺定規を当てると簡単にセンチがわかります。
今回は15センチありました。
これを目数でいくつあるのか計算します。
10:20=15:X
X=30目
差分は30目(片側)あることがわかりました。
ラグラン線の増し目操作は、2段毎に行います。
(1段目増し目、2段目は増減なし・・を繰り返す)
なので、30目増えるということは、何段編めば30目増えるのかと考えると・・・
30✕2=60段
60段、編まなければいけないということがわかります。
で、60段って結局何センチに相当するのか?を出します。
もちろん、比計算でいけます。
10:32=X:60
X=18.75
X≒ 19センチ
と出ました。
縦(高さ)のラインが19センチの所で本線を引きます。
縦横が出たところで、ここで斜め線(ラグラン線に相当)を引きます。
この、ラグラン線が何センチなのかによって、この製図の可否が決まるのです。
上の方で、ワタシのラグラン線は約21センチと書きました。
近似値になっているでしょうか???
ハイ、24〜5センチですね。
縮尺定規があれば、一発で斜め線の長さが分かるんですね。
この為だけに縮尺定規があると言っても過言ではないですね。
余談ですけど、縮尺定規がない場合は、ルート計算で出せなくもありません。
ルートボタンがある電卓があると一発よ。
計算方法は、縦サイズの二乗と横サイズの二乗を足したものに、ルートボタン押すだけです。
話は戻ります。
この長さを実寸の巻き尺にとって、自分の身体に当ててみましょう。
ワタシの場合、脇の下通過してしまいましたので、明らかに大きいということです。
この製図は失敗作ということになります。
残念でした。
ここからラグラン線を最適化する方法を模索します。
ラグラン線の調整方法①:身幅を小さくする
青い線が身幅を小さくしたラインです。
ラグラン線は短くなります。
逆に、赤いラインは大きくした場合。
ラグラン線は長くなります。
今回はこれ以上身幅を狭くすると、ワタシが入らなくなってしまうのでNGです。
ラグラン線の調整方法②:ネックの比率を変える or ネックの円周を調整する
ネックの横幅を変えることによって、調整も出来ます。
青い線はネックを狭くした場合。
ラグラン線は長くなります。
赤い線はネックを広くした場合。
ラグラン線は短くなります。
場合によっては、①と②の合せ技で解決を試みることもあります。
今回は、ネックの幅を調整して、円周はそのままに比率を1:3にすることで対処することにしました。
で、書き直したのがこちら。
今度は、21センチジャストでした。
いいかんじっ!
あとは、先程縦に引いた案内線のところ、3センチの前後差と3センチのマチの線をとり、裾線までまっすぐ引いて、後ろ身頃は完成です。
次回予告
次は、「袖(そで)の製図の見当の付け方と書き方」です。
後ろ身頃は出来たけれど、袖・・・肩が入らないと意味無いじゃ~ん!
ということで、袖も後ろ身頃に大いに影響されています。
その見当の付け方と調整方法、線の引き方を書く予定です。
次回、乞うご期待!
ではでは!